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2025年3月19日水曜日

卒論と学位論文のタイトルまとめ(2025年度まで)

卒論と学位論文のタイトルまとめ(2025年度まで)

研究室選びの参考となるかと思いますので、これまでの卒論タイトルおよび学位論文のタイトルを公開したいと思います。書類からのコピペですので、もし何か間違いがあったらごめんなさい。


2019年度

卒業論文

  1. 「介護サービス利用による家族介護者の精神的負担軽減の検討~daily-diary methods を用いて~」


2020年度

卒業論文

  1. 「若者のエイジズムとその関連要因についての実証的研究」
  2. 「高齢者を対象とした世代間交流が主観的幸福感に与える影響-世代性に着目して-」
  3. 「地方在住高齢者における親族・友人への資源配分がもたらす幸福感と認知機能への影響」


2021年度

卒業論文

  1. 「世代間交流が高齢者の抑うつおよび認知機能に与える影響-長期継続可能な世代間交流の検討-」
  2. 「楽観性が高齢者の精神的健康に及ぼす影響」
  3. 「ソーシャル・サポートが高齢者の認知機能および抑うつに与える影響について」
  4. 「高齢者の閉じこもりにおける関係要因と改善法についての検討」
  5. 「新型コロナウイルス感染症流行下の高齢者における自己効力感が精神的健康に及ぼす影響」


2022年度

卒業論文

  1. 「退職準備行動が高齢者の主観的幸福感に与える影響に関する研究」
  2. 「高齢者における世代性セルフエフィカシーが抑うつに与える影響」
  3. 「高齢者の愛着スタイルとエイジズムが孤独感に与える影響」
  4. 「要介護高齢者の家族介護者特有の孤立感に対する緩衝要因の検討」
  5. 「高齢介護者の介護負担感および高齢者の防災意識への影響要因の検討-コロナ禍の影響にも着目して-」

2023年度

卒業論文

  1. 「家族介護者の介護継続意志に死生観および要介護者の諸症状が及ぼす影響について」
  2. 「家族介護者の介護負担感を介した残存能力の活用意向と主観的幸福感の関連の検討」
  3. 「家族介護者のコミットメントが介護負担感,抑うつおよび主観的幸福感に与える影響について」
  4. 「高齢介護者の日常的介護場面における孤独感・孤立感に対するストレスコーピングの様相」

2024年度

卒業論文

  1. 「高齢者の自己開示がウェルビーイングおよび孤独感・孤立感に与える影響の検討」
  2. 「セルフ・コンパッションが家族介護者の予期悲嘆に与える影響」
  3. 「セルフ・コンパッションが高齢介護者の抑うつ傾向に及ぼす影響の検討」
  4. 「高齢者の被援助志向性が抑うつおよびウェルビーイングに与える影響について」
  5. 「ソーシャルキャピタルを介した高齢者の介護予防動機づけがウェルビーイングに与える影響について」
博士学位論文
  1. 「役割ストレッサーに対する認知的評価と経営資源に関する実証的研究 An Empirical Study of Cognitive Appraisals and Firm Resources to Role Stressors」

2025年3月18日火曜日

オモウマい店

博多に出張に行ったので、夜ご飯を写真の店で食べました。

近くのホテルに泊まり、あまり考えずに中華でも食べようかな、と思っていったのですが、どうやらオモウマい店で取り上げられたことがある店らしく、非常に混んでおり、行列が出来ていました。考えてみるとオモウマの店に行くのは、これが初めてかもしれません(と、思って調べたら、福岡の魁龍、大分の東洋軒、鹿児島の稲庭風うどん玉やは行ったことがありました。行ったのはオモウマが始まる以前ですが)。



せっかく並んだので、焼きめしともう1品頼んだところ、量が多く(三分の一で満足できる量)、泣きそうになりながら完食しました。

美味しいのですが、さすがに年を考えないといけないですよね。


2025年3月3日月曜日

次年度の研究費

 次年度の研究費、経常費用(資料コピー代など)を除くと10万円ぐらいしかない気がする。

このような状況になったことがないのでどうしたものか。。。

アメリカでの学会発表も諦めるしかないよね。。。

国内の学会出張もこの状況だと厳しい。すでに発表を申し込んだものは何とか行って責務を果たしたいけど。。。

2025年2月27日木曜日

鹿児島市が火山防災研究所職員を募集しているらしい

鹿児島市の火山防災研究所の職員を募集しているらしいです。


https://www.city.kagoshima.lg.jp/soumu/soumu/jinji/shise/saiyo/annai/annai/28.html


給料は年間約600万円とのこと。年齢にもよるけど、任期付きの研究員としては結構良いのでは。

2025年1月25日土曜日

最大720字以内は厳しい

 来週の月曜日が老年社会科学会の発表申し込み締め切り日なので、今日は報告要旨を作成し、申し込みを行った。

老年社会では数年前から発表申し込み時の様式が変更され、それまでの1ページから720字前後の字数制限が課されるようになった。

この字数制限がキツい。720字はあまりに少なすぎる。この720字以内で倫理委員会から承認を得たことや研究費のことを書くと本文がかなり短くなってしまう(結局今回は研究費のことは書くスペースがなかった。当日の発表ポスターには書く予定)。

もちろん、720字程度にすることで、発表申し込み時のハードルを下げ、発表数を増やしたい気持ちもわかるし、医学系の学会の様式と共通させることでメリットがあるのもわかる。

けどやっぱり厳しい。720字だと結果の欄に数値、例えば(r = .45、p < .001)を二つ三つかくことすら厳しいので「関連があった」とか「影響があった」などの表現しか使えない。それだと要旨集を見たときにどういう分析をしたのか、どういう結果だったのか、理解するのが難しいと思う。

また、学会の要旨集は、次の調査研究のアイデアを練るときに参考にしたり、分析の切り口を探すときにお手本にしたり、同じような研究をしている仲間を探したりする際に使用することもあると思うのだが、上記のような抽象的な結果しか書いていないため、そのような用途で参照することが難しくなっている。

抄録が長すぎると作成する負担が重くなるため、短い方が良いと言う意見もあるだろう。けど、もうちょっと長くても、せめて1000字程度にしてもらえるとだいぶ助かります、ということを思いながら作業をした1日であった。

2025年1月13日月曜日

印刷中だったBSFC-sの論文が刊行されたとのこと

印刷中だった論文のページ数が決定しました。

Abe, K. (2024). Validation of the Japanese version of the Burden Scale for Family Caregivers short form. Asian Journal of Gerontology and Geriatrics, 19, 51-55.

https://doi.org/10.12809/ajgg-2024-677-oa

2025年1月3日金曜日

新年のあいさつと2024年のまとめ


 あけましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりました。今年も何卒よろしくお願い致します。

さて、年度末にするかどうか迷いましたが、良い機会ですので2024年のまとめをしたいと思います。記憶が定かでなかったり違っている箇所もあるかと思いますが、個人ブログ内での記載ですので、大目に見てあげてもらえれば助かります。


2024年1月~3月

自分の子どもの受験が重なったため、大学入試関係はほとんどコミットすることがなく、申し訳なかった。自分としては教務より入試関係の仕事の方が好き、というか向いていると思うので機会があればまた役目を果たしたいと思う。

子どもの大学受験は、自分がこういう仕事をしているとは言え、いろんなステージを見せてくれてありがたかった。世の中にはいろんな受験生がおり、いろんな親がいる、ということをしみじみ感じた。


2024年4月~6月

これまで子どもの塾の送迎、部活の送迎、体調が悪いときは高校の近くまで車で送る、などを行ってきたが、次男だけになるとこれらの回数が大幅に減った。そこで久しぶりに論文を書いてみようと思い立ち、4月下旬から土日に論文を書く生活を始めた。

正確には覚えていないが、この時期は約2週間に1本のペースで執筆、英文校正、投稿までを行っていた。そのペースを続けることが出来れば、おそらく科研費Cをもらっている研究者の中では、かなりコスパが良い研究者となれると思うが、要修正点をかなりの長文で指摘されたリジェクトを複数もらってしまい、最後の方は新規投稿する気になれなくなってしまった。年が明けた今(2025年1月)になっても、この長文の指摘をもらった論文数本は修正が終わらず、他雑誌への再投稿に至っていない。


2024年7月~9月

2024年は学会に行かず、論文執筆に集中しようと思っていたが、リジェクトが重なり、自分の知識不足を感じたため、この時期に開催される学会のいくつかに参加してみることにした。日本心理学会と認知・行動療法学会ワークショップに参加し、刺激をもらったが、論文執筆のヒントとしてはもう少し幅広く研究を知る必要があるように思った。来年度はちゃんとGSA(アメリカ老年学会)に参加したいと思う。

リジェクトにならなかった論文のうち、いくつかは審査が終わり、アクセプト通知をもらうようになった。興味深かったのが、台湾の雑誌と香港の雑誌の違いである。台湾の雑誌は編集委員会とのやり取りが早く、こちらの要望もすぐに汲んでもらえたのだが、論文が受理された後の出版社とのやり取りがなかなか進まなかった。一方、香港の雑誌は編集委員会とのやり取りがなかなか進まなかったが、一旦受理された後の出版社とのやり取りは非常にスムーズで仕事がしやすかった。N=1なので、単なる感想に過ぎないのだが、これから論文を投稿する方にとって何らかの参考となれば幸いである。


2024年10月~12月

卒論にかかりっきりになっている時期で、毎年同じである。12/20の提出日が大晦日のようなもので、それが終わったら灰になって燃え尽きてしまった。

今年度は10月と11月に法文棟のエアコンの故障が続き、暑さ寒さの寒暖差がある日の自室の気温コントロールが出来ず、自律神経が何か調子悪いなぁ、という日が続いてしまった。12月に入る直前にエアコンの修理がやっと終わったため、卒論のピーク時にはなんとか自律神経を整える事が出来た。復活後は、例年よりも卒論の草稿を丁寧に読んで指摘することが出来たように思う。もう少し早めに修正作業に入ることが出来ればとは思うが、次年度への課題としたい。


2024年12月21日土曜日

卒論提出日


今年の卒論の提出が終わりました。本年度もゼミ生全員が提出することが出来ました。

お疲れさまでした!

この写真は提出日前日の夜、私が帰宅した時の時計の写真です。夜の2時半ぐらいまで大学に残ってチェックをしていました。

40代を過ぎると、どうも23時頃までしか研究の頭が働かないので、昨年までは卒論指導が長引いても23時ぐらいを限度にして帰宅していたのですが、今回はどうしても時間が必要だったため、2時半まで作業をしていました。


ちなみに次の日というか夜が明けた当日、卒論生は17時までに卒論を提出して作業から解放されたと思うのですが、私は夜間大学院の授業で、その後も20時半ぐらいまで仕事がありました。

先月から今月にかけて、ほとんど土日がなかったので、さすがに年末はちょっと休みたいですね。

2024年11月24日日曜日

査読

査読の報告書を書くためだけに日曜出勤している。

本当は今日2本査読するはずだったが、細かく読んでいたら1本だけで終わってしまった。

ああ、締切が。すみませんすみません。

2024年11月19日火曜日

令和6年(2024年)桜島火山爆発総合防災訓練に参加しました

今年も桜島での桜島火山爆発防災訓練に学生達と参加しました。
この写真はその当日の様子で、ペット避難に関するブースに関する写真です。



当日は雨が降っていて、学生を配置した避難所の体育館や、フェリーターミナル、レインボー桜島(ホテル)間の移動が大変でした。

例年参加していますが、今年は特に疲れました。これまで訓練当日に雨が降ることは少なかったので実感しなかったのですが、やはり雨が降ると移動そのものがしんどくなります。

様々な状況での避難を考えないといけないと思いますので、体は疲れましたが、良い勉強になったと思います。

住民の皆さん、市役所職員の皆さん、学生の皆さん、お疲れさまでした!
 

2024年11月11日月曜日

尺度作成以外の進行中の研究について

 下の書き込み記事は尺度作成に関する研究についてですが、それ以外にもいくつか当研究室で行っている研究があります。これらの中には、まだ始まったばかりで着地点がまだ見えてないものもありますが、関心のある方がいれば何か一緒に出来ればと思っています。


1. 高齢者のホーディング(ためこみ)症候群に関する研究

一般高齢者を対象とした調査が終了。次年度どこかの学会もしくは誌上発表する予定。あくまでもホーディング傾向について検討したのみなので、臨床群を対象としたものではない。


2. 加齢・老化に関するマイクロアグレッションに関する研究

一般高齢者を対象とした調査が終了。おそらく国内ではあまり反応がなさそうなので、海外の学会、特にアメリカの学会で発表した方が良いと思っている。こちらはマイクロアグレッションの定義が少々曖昧でエイジズムとの区別がつきにくいという問題を抱えている。


3. 複雑性悲嘆・遷延性悲嘆に関する研究

大学院の授業で行った調査で、すでにここ最近死別を経験された方を対象とした調査が終了。今年度から次年度にかけて誌上発表を行う予定。


4. その他

その他にも考えている研究はありますが、とりあえず尺度が作成されて信頼性と妥当性があることが証明されないと、それを用いた論文が書けないので、まずは尺度作成の論文を優先して書いていく予定です。余力があれば、作成した尺度を複数用いて関連を検討したり、ここにある1~3の研究も進めていきます。


2024年11月10日日曜日

当研究室で開発・検証中の日本語版心理尺度について

 尺度の日本語版を開発するという研究は、心理学分野ではよくある研究の一つだと思います。一方、研究者自身が一から概念を整理し、オリジナル版の尺度を作成する研究では問題にならないことが問題となってしまうことがあります。それは、同時多発的に日本語版を作成する研究が行われることによって、いくつもの日本語版尺度が存在してしまう、ということです。

この有名な例として、ローゼンバーグの自尊心尺度の日本語版が挙げられます。検索して頂くと実感して頂けると思いますが、数種類の日本語版尺度が作成され、その数種類に対する追試研究や妥当性の検証研究が行われており、どれがどれだか、非常にわかりにくい状況になっていると思います。

このような状況に陥る原因はいくつかありますが、正当な手続きを踏んで原著者に許可を得ていなかったり、すでに発表されたものを見落としていたり、ということが多いように思います。一昔前は、原著者に許可を得なくとも、論文として発表されている以上、おおやけにされているものと見なして研究を進める、という立場を取る研究者が多かったので、ある意味仕方なかったのかもしれません。

現在では、オリジナルの著者、作者の権利を保護する意識が高まり、またインターネットの発達により文献検索が容易になったため、上記のようなことはあまり見られなくなったように思います。

しかしながら、現在に至っても、残っている問題はあります。それは、正当な手続きを踏んで原著者に許可を得ているが、まだ学会や誌上で発表していない、という段階のものです。

これは結構やっかいな問題で、原著者に問い合わせなければ、日本国内で誰が許可をもらっているのかわからないですし、たとえ許可をもらっている人が判明しても、学会や誌上発表をしていなければ、自らの研究では使用することが困難になります。

しびれを切らして、原著者に無断で日本語版を作成して研究に使用すると、それこそローゼンバーグの自尊心尺度の二の舞になってしまいます。

プレレジのように、日本語版の翻訳許可を得た人が、どこかに登録して公開すれば、これらの問題の発生率は低くなると思うのですが、今のところあまりそのような状況にはなっていないと思います。

そこで、とりあえずは、自分だけでも、日本語版の翻訳許可を得た尺度をここで公開したいと思います。すべての尺度は、学会あるいは誌上発表後にオープンにする予定ですが、それまで待てない、すぐに調査に組み込みたい、という場合は連絡して下さい。すべての尺度について、少なくとも日本語化は終了していますので、お渡しすることは可能です。ただ、まだ発表していない尺度については、こちらが発表する前に学会等で発表されるとややこしくなりますので、発表予定がある場合は、その時期を相談させて下さい。


1. The Friendship scale(フレンドシップスケール)

Hawthorneが作成した、孤独感と孤立感を測定する尺度。日本語版は以下の論文を参照。

安部幸志(2023). 日本語版フレンドシップスケールの作成と信頼性・妥当性の検証:社会的孤立を測定する新しい尺度開発の試み. 鹿児島大学法文学部紀要 人文学科論集,90,1-12.


2. Burden Scale for Family Caregivers短縮版(BSFC-s)
Graesselらが作成した介護負担感尺度。日本語版は以下の論文を参照。

Abe, K.(in press) Validation of the Japanese version of the Burden Scale for Family Caregivers short form, Asian Journal of Gerontology and Geriatrics.



3.Brief Ageing Perceptions Questionnaire (B-APQ)
Sextonらが作成した、Ageing Perception Questionnaireの短縮版。エイジズムを測定する尺度として使用されることが多い。日本語版は以下の論文を参照。

Abe, K. & Tomiyama, K. (2024). Development of a Japanese Version of the Brief Ageing Perceptions Questionnaire and Its Validity and Reliability. Journal of Ageing and Longevity, 4(3), 200-208.

https://www.mdpi.com/2673-9259/4/3/14


4. Marwit–Meuser Caregiver Grief Inventory 6項目版
Liewらが作成した6項目版MM Caregiver Grief Inventory。現在日本語化は終了し、調査進行中。発表は次年度になる予定。


5. Distress Disclosure Index
KahnによるDistress Disclosure Index、ネガティブな経験の自己開示尺度。現在は日本語化および調査が終了したところ。発表は次年度になる予定。


6. 10-item Well-being Instrument(WiX)
Voormolenらによるウェルビーイングの測定尺度。現在日本語化を終了し、調査1を終え、調査2が進行中。発表は次年度になる予定。


7. Post Traumatic Growth Inventory short version
これは我々が日本語化をしたのではなく、日本語になっていた尺度から項目を抜き出して短縮版として調査に用いて、その信頼性と妥当性を検証したもの。調査は10年近く前に終了しているにも関わらず、誌上発表をしていないため、ご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げる。どうしても使用したい場合は、以下の学会発表を参照して頂ければと思うが、今年度のどこかで、なんとか論文にする予定である。

Itayama, A., Abe, K., & Takagishi, Y. (2016). Reliability of a short-form Post Traumatic Growth Inventory Japanese version(PTGI-J-SF), International Congress of Psychology, 51, 961.


2024年10月24日木曜日

なぜBSFC-sの日本語版の作成をしたのか?について

 今回、BSFC-s(家族介護者用負担感尺度短縮版)の日本語版を開発し、論文として発表しました。ここで疑問に思う方もおられると思うのですが、なぜ、今になって介護負担感尺度を作成したのか、について説明したいと思います。


もともと、介護負担感はZarit介護負担感尺度が有名ですし、もっとも利用頻度が高い尺度だと思います。しかし、その後介護者心理の研究がストレスプロセスモデルを用いたものが増えるようになり、Zaritの尺度だとストレスプロセスモデルを構成する他のストレス反応等との概念的重複があるため、新たにいくつかの尺度が開発されてきました。

以前、2001年に主観的介護ストレス評価尺度を開発したときも、そのように考えて2因子からなる尺度を作成しました。

その後、研究が進むにつれ、ストレスプロセスモデルにおいて、介護負担感や介護ストレスに対する認知は複数の要因があったとしても、一つにまとまることがわかってきました。つまり、私が作成した尺度であっても、2因子に分けて測定する必要がなく、1因子の「介護ストレス」として捉えた方が現実に即していると思われます。

具体的に、研究上ではどのような意味かというと、介護負担や介護ストレスの複数の因子のうち、どの因子がもっとも重要か、という分析を行うことはあまり意味がないということです。それよりも、全部まとめて分析し、そのまとまった介護負担感や介護ストレス全般に対し、軽減効果や増幅効果を有する要因を見つけ出す、という研究が社会的には求められていると思います。


そう考えると、昔作成した主観的介護ストレス評価尺度をこのまま自分の研究で使用し続けることに少し抵抗を感じるようになりました。近年、コロナ禍で対面での学生を連れた活動が難しくなり、ウェブ調査をするようになったのですが、そこでせっかくなら介護負担の新しい尺度を作成してみようと思い立ったわけです。

介護負担の新しい尺度について検索すると、もちろんたくさんの検討すべき尺度が挙げられるのですが、その中でBSFCという尺度が気になりました。短縮版なら項目数も少ないですし、ヨーロッパを中心として、様々な国でローカルバージョンが作成され、ほとんどすべてがフリーで使用できます。私も自分の尺度は研究のためならできるだけフリーにしたいと思っていましたので、このBSFCの作者に連絡を取ったところ、使用許可をいただくことができました。


介護負担の研究は、現在様々な尺度があり、どれを使用するのかというのは慎重に検討すべき事項です。BSFCのように、単純にすべての項目を合算し「介護負担感」を測定したいというケースもあるでしょうし、下位尺度に興味があるケースもあると思います。個人的には、ストレスプロセスモデルの検証については、もうそろそろ終わりにして、心理だけでなく、医療・福祉領域もストレスプロセスモデルを前提とした、介護負担感を中長期的に軽減する要因を明らかにする研究が増えてほしいと願っています。


以上

2024年10月22日火曜日

Validation of the Japanese version of the Burden Scale for Family Caregivers short form

Asian Journal of Gerontology and Geriatricsのホームページにも論文が掲載されました。

PDFもダウンロード出来ます。巻・号はもう決まっているみたいですが、ページは未定のようです。

以下のURLはearly online releaseページのもので、半年ぐらいすると他のページにPDFのURLが移動する可能性がありますのでご注意下さい。


 https://www.ajgg.org/en-early_online_release.html


https://www.ajgg.org/image/module/early_online_release/2024-677-oa.pdf


この論文は、主にヨーロッパ諸国で最近使用されることが多くなっている、Burden Scale for Family Caregivers (BSFC)の短縮版を日本語化し、その信頼性と妥当性を検証したものです。

分析の結果、BSFC短縮版(BSFC-s)は日本語においても、高い信頼性と妥当性が確認されたため、国際比較などさらなる研究への発展が期待できる尺度であることがわかりました。

このBSFC-sについては、原著者Graesselらも、著作権は放棄していませんがフリーで公開しており、研究や教育、臨床でのアセスメントについては無料で使用できるようです。

こちらの日本語版も、原著者に倣い、フリーで公開したいと思いますので、研究、教育、臨床においての使用については、許諾なしで使用して頂いて構いません。


尺度項目のイメージはこちらです。


尺度項目のPDFはこちらです。実際に使用する時は、こちらを参考にワードやエクセルで質問紙を作成して下さい。得点方法はシンプルに全項目を合算するだけです。
大学の共有ドライブにファイルを置いていますので、大学側のシステム変更等でダウンロードできなくなる可能性があります。その場合、お手数ですが、上のJPEGを参考にして下さい。


2024年10月7日月曜日

海外ジャーナルからのお誘いメールを整理してみました

プレプリント論文の投稿後、海外ジャーナルからの投稿へのお誘いメールが多いため、一度整理してみました。

各雑誌の名前と発行している出版社、APCも参考のために一覧にしてみます。

どの雑誌や出版社が良いのか悪いのかは、分野によって違いますので、ここでは判断いたしません。単にデータとして整理しているだけとお考え下さい。


整理してみると、Opastグループからのメールが多いですね。APCは高い雑誌が多いのですが、一部信じられないぐらい安い雑誌がありますね。


大学の紀要の出版にかかる費用も0円ではなく、数万円かかりますので、それを考えると廉価にオープンアクセスにしてDOIをつけて発行してくれる雑誌は、投稿先として悪くない、、、のかもしれません。


なお、これ以外にも、論文の査読依頼が1週間で3本来ました(すべて分野違いでしたが)。普通の雑誌に論文が掲載されるよりも、こういった反応が多くて驚いています。若手だったらプレプリントをうまく利用することで何かチャンスを得ることができるかもしれませんね。


投稿へのお誘いがあった海外ジャーナル一覧


2024年10月5日土曜日

Aging Medicine and Healthcareに論文がアクセプトされました

Aging Medicine and Healthcareという雑誌に論文がアクセプトされました。

タイトルは以下の通りです(印刷前に校正が入るので変更の可能性あり)


タイトル:

Changes in Japanese older adults' frequency of going out during the COVID-19 pandemic


印刷される巻号やページが決まりましたら、またお知らせいたします。

2024年10月2日水曜日

BSFC-s日本語版の論文がアクセプトされました

BSFC-s日本語版の作成を行った論文がアクセプトされました。

タイトル・雑誌名は以下の通りです。


タイトル:

Validation of a Japanese version of the Burden Scale for Family Caregivers short form


雑誌名:

Asian Journal of Gerontology & Geriatrics


巻・号が決まりましたら、また詳細を書きたいと思います。

2024年9月27日金曜日

Effects of respite services on fluctuations in caregivers' stress

 Effects of respite services on fluctuations in caregivers' stress: A pilot study using a daily diaryというタイトルの論文をプレプリントサーバーmedRxivにて公開しました。


場所は以下の通りです。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2024.09.25.24314398v1

https://doi.org/10.1101/2024.09.25.24314398

(どちらのリンクからもアクセスできるはずです)


論文全体のPDFはこちらです。

https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2024.09.25.24314398v1.full.pdf


この論文を引用する際は、プレプリントを明示する必要がありますので、以下のような記述が必要です。雑誌によってプレプリントの扱いが違いますので、それぞれの規定をご確認ください。

Abe K, Kubota W. Effects of respite services on fluctuations in caregivers' stress: A pilot study using a daily diary. medRxiv [Preprint] 2024.09.25.24314398; doi:10.1101/2024.09.25.24314398


内容は以下の通りです。

Abstract

Objectives: Family caregivers for people with dementia report daily fluctuations in stress levels. Much prior research on caregivers' daily stress fluctuations has used a daily diary method. However, only a few studies have used this method with family caregivers to examine the effects of respite services. This study aimed to use a daily diary method to assess the effects of respite services on stress and depression in family caregivers. 


Methods: Participants included 13 family caregivers of persons with dementia using respite services in rural areas of Japan. Participants completed self-administered questionnaires every day for seven days, including the use or non-use of respite services, cognitive and daily living function, depression, and stress appraisal. Generalized linear mixed models with data nested within persons were used for the analysis. 


Results: Few significant effects of services were found on caregivers' depression and stress appraisals at the between-person level. However, within-person level analyses using generalized mixed models showed that respite services significantly reduced stress appraisal. 


Conclusion: The findings demonstrate the stress-buffering effect of respite service for caregivers and the applicability of a daily diary method to the small sample.

2024年9月9日月曜日

日本心理学会@熊本城ホール

 


日本心理学会第88回大会@熊本城ホールに参加してきました。

前任校の先生達とも話が出来たし、出身大学院の仲間とも話が出来たし、情報交換も出来たので、かなり満足度は高いです。

自分がやってる研究の方向性も、日心の発表を見る限り、(主観でしかないですが)間違ってなさそうな感じがしましたので、今後も精進したいと思います。

来年度は仙台らしいのですが、鹿児島から東北は飛行機の直通がなく、行きにくいのでどうするかは考え中です。でも久しぶりに仙台行きたいなぁ。

2024年8月20日火曜日

令和7年度 大学院人文社会科学研究科 入試について

 令和7年度、つまり来年度入学の大学院人文社会科学研究科の情報は以下のURLを参照してください。


https://gs.kadai-houbun.jp/exam/


出願期間は令和6年8月19日(月)~8月23日(金)です。

心理学分野では、大学院博士前期課程、後期課程ともに、出願前に希望する研究室の教員と相談することを推奨しています。

厳密には相談せずとも受験することは出来るのですが、教員によっては海外研修などで不在にするために院生を取れない、などの募集要項には書いていない事情がありますため、お互いのためにも事前相談をしておいた方が良いと思います。


次に、留学生向けの情報ですが、心理学分野では日本語に加えて、英語と統計の勉強が必須となります。特に大学院では英語の論文を読むことが多いため、あまり日本語能力の向上にはつながらないかもしれません。留学期間に何の能力を伸ばしたいのかをしっかり考えて、専門分野を選んで欲しいと思います。


また、社会人向けの情報ですが、本大学院では昼夜開講制度を取っておりますので、勤務先での仕事が終わった後に大学に来て受講できる授業も数多くあります。一部の授業は平日の昼間に開講されており、修了するためにはそれらを取らないといけないのですが、長期履修制度を利用することで、数年間のどこかで履修することを想定して入学する学生もおります。

博士後期課程については、履修学生数が少ない場合、教員と相談し学生の都合の良い時間に移動することも出来ますので、シラバスだけを参考にするのではなく、志望する教員に相談して頂ければと思います。

近年の在学生のバックグラウンドとしては、心理だけでなく、教育、保育、看護など他分野からの入学者も多い状況です。我々も研究の良い刺激になりますし、そのようなチャレンジを歓迎しております。