ラベル

2019年4月1日月曜日

簡易死生観尺度(QIDA-8)の作成と信頼性・妥当性の検証

大学の紀要に新しい死生観尺度に関する論文が掲載されました。

安部幸志(2019). 簡易死生観尺度(QIDA-8)の作成と信頼性・妥当性の検証. 鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集,86,1-7.

http://hdl.handle.net/10232/00030453

○尺度の説明と使用許諾について
既存の死生観尺度のエッセンスを抽出し、より簡便に使用できる尺度を作成することを目的とした研究です。この尺度に関して、著作権は放棄致しませんが、研究・教育目的であるならば自由に使用して頂いて構いません。事前・事後の許諾なく使用して頂いて結構です。なお、それでも倫理委員会等の規定で使用許諾の書類が必要な場合は、出来るだけ迅速に対応致しますので、ご連絡下さい。

○使用方法、信頼性と妥当性
この尺度は8項目で構成されており、4つの下位尺度があります。第1因子は「死への恐怖・不安」、第2因子は「死後の世界観」、第3因子は「追悼・供養意識」、第4因子は「解放としての死」です。使用する際は、下位尺度ごとに単純和を行い、尺度得点を算出して下さい。

 下位尺度には、それぞれ2項目ずつ含まれており、信頼性はα=.650~.796ですので、十分に使用可能と考えられる値となっています。再検査も行いましたが、すべての下位尺度においてプレ・ポストで有意な相関が認められました。第1~3因子はプレ・ポストで.70以上の有意な相関が認められたのですが、第4因子は.54とやや低い値が認められました。これは「解放としての死」概念が青年期においてやや変動しやすい傾向にあることを示していると考えられます。

 尺度の妥当性については、うつ・不安尺度と一部有意な相関が認められ、既存の死生観尺度と同様の結果が得られています。本尺度を利用した研究を今後展開していく予定ですが、妥当性についてはまだ検討の余地が残されています。

 尺度の詳細については、上記URLにある論文のPDFを参照して下さい。なお、実際に質問紙を作成する際のイメージとして、尺度項目を画像で貼付いたしますので、ご参考になれば幸いです。




0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。