これも昔の論文ですが、オープンアクセスになっていますので、貼っておきます。
安部幸志(2004)家族介護者における主観的安寧感尺度の信頼性と妥当性の検討. 健康心理学研究,17(1),47-55.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jahp/17/1/17_47/_article/-char/ja
○目的
疾患を有する患者やその家族の心理的状態に関する研究では、これまで抑うつや不安などのネガティブな側面に注目されてきました。その測定尺度も、CES-DやHADS、STAIなどうつや不安を測定するものが多く開発されています。しかしながら、一部の研究では、(2004年頃はポジティブ心理学はまだあまり注目されていませんでしたが)そのような否定的状態だけでなく、肯定的状態に着目した研究がいくつか報告されています。例えばAffect Balance ScaleやLife Satisfaction Index-Zを抑うつ指標と同時に測定し、様々な要因が抑うつに与える影響を検討すると同時に、肯定的な状態に影響を与える要因を明らかにしています。
一方、日本ではこの肯定的状態(Positive Affect)を測定するための尺度は少なく、特に介護者のようなストレス状況下における対象者に実施するための短時間で回答可能な簡便な尺度というものはほとんど認められていません。そこでこの研究では、上記のように、ストレス状況下における対象者であっても、肯定的状態、ここでは安寧(well-being)と定義しますが、その安寧な状態を短時間で回答できうる簡便な尺度を開発することを目的としました。
○尺度の使用について
この尺度に関して、著作権は放棄致しませんが、研究・教育目的であるならば自由に使用して頂いて構いません。事前・事後の許諾なく使用して頂いて結構です。なお、それでも倫理委員会等の規定で使用許諾の書類が必要な場合は、出来るだけ迅速に対応致しますので、ご連絡下さい。
○使用方法、信頼性と妥当性
この尺度は5項目で構成されており、信頼性はα=.91と高い内的一貫性が認められています。使用する際は単純和を算出し,「主観的安寧感」得点として下さい。
検証的因子分析により、データへの高い適合性も確認しています(χ2(5)= 28.18, p< .001, GFI =.94, CFI = .96)。
尺度の詳細については、上記URLにある論文のPDFを参照して下さい。なお、実際に質問紙を作成する際のイメージとして、尺度項目を画像で貼付いたしますので、ご参考になれば幸いです。
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