心理学の学生で、自宅でもデータ分析をしたいのであれば、フリーの統計プログラムに頼らざるをえない。一応、SASのような有名なプログラムもフリーで使用出来るし、Rであればマニュアルもあるのだが、GUIが充実していないと学生には敷居が高いと思われる。
現時点で、日本語が使えて、GUIが充実していて、マニュアル本も出版されていて、学生の選択肢に入りそうなのは以下の二つかなと思う。
HAD
JASP
日本語は使えるけどマニュアル本がないので選択肢としては弱いけど、jamoviも悪くない。GUIがJASPと似てるので最初はバージョン違いなのかな?と思ったぐらい。
jamovi
正直言うと、学生にはすべてダウンロードしてもらって、分析の目的によって使い分けをして欲しいと思う。どちらもそれなりに特徴があって、ソフトを使うだけでも勉強になるはず。
JASPはSPSSからの移行組であれば、抵抗感無く使用出来るようなGUIが備わっている。因子分析は、SPSSよりも機能的に先に行っているので、この点だけでもSPSSから移行する意味はある。
個人的にはSEMをよく使うので、JASPにも期待しているのだが、まだRと同じようにコマンドを打ち込む形式からアップデートしていないので、なんとかなりませんか、という感じ。
SEM以外はほとんどの分析をSPSSではなく、JASPで代替しても良いのでは、と言う印象がある。
jamoviはJASPとほぼ似たような使い勝手なのだが、SEMに関してはJASPよりも使いやすい感じがする。コマンドを打ち込まなくても分析できるようだ。
ただ、これらは第三者がプラグインを作ったりしているので、現時点で必要なプラグインを私が見つけていないだけで、実は優れたGUIのSEMプログラムがあるのかもしれない。
HADはSEMを行うのであればJASPよりも良いソフトだと思う。こちらもGUI、特に出力がもうちょっと整ったモデル図がでれば最高なのだが、HADの責任というよりはエクセルの責任だと思うので、仕方ないのかもしれない。
次年度の授業でも時間があれば両方のソフトを取り上げて比較するみたいなことをするかもしれない。自分に気力があれば、の話だが。