トカラ列島への出張から帰ってきて、船酔い&バス酔いのため少し体調が思わしくなかったのだが、やっと復活してきた。
トカラ列島で調査をしつつ、ぼんやり考えていたことがあるので、研究のネタになるかどうかわからないが、備忘録を兼ねて書いておきたい。
・対人情報処理について考えたこと
心理学で対人情報処理に関する研究を検索してみたが、自分が思っているような内容ではなかった。だから、これから書くことは、当たり前のことで、単に勉強不足で他の学問分野ではすでに議論しつくされてきたことかもしれない。調べればいいんだが、そこまで余力がないので、メモとして残すことにする。
自分が離島で考えていたことは、離島では対人情報に関する処理が、都会に比べてかなり楽で、そこにリソースを割いていた人や苦手な人は、暮らしやすいかも、ということである。
具体的にどういうことかというと、人は人と交流するとき、その人の個人情報、性格とか何が好きとか、何が得意とかを把握して交流する。と同時に、その人が持つ、人間関係・交流関係も把握し交流する。その人から誰に話が伝わるとか、対人ネットワークの存在をイメージしつつ、交流を重ねていくと思う。これらの二つの情報、「個人の情報」と「人間関係の情報」の処理を合わせて、他に良いネーミングが思いつかないので、「対人情報処理」と一応しておく。この対人情報処理について、知り合いが多い地域や人口が少ない地域では、対人ネットワークが想像出来る範囲で収まっているため、都会に比べて作業量が少なく、時間がかからなくて楽なように思えたのである。
おそらく生まれたときから大都会に住んでいる人は、この対人情報処理が得意であったり、鍛えられてレベルが上がっていたり、必要ない部分の切り捨てが出来るのではないかと思う。例えば田舎だとすれ違う人の顔を見て、自分の頭の中のデータベースを検索して知り合いかどうか確認する。こういう人が渋谷とかに行くと、人が多すぎて、データベースの検索がオーバーヒートして疲れてしまう。しかし都会出身の人は、最初からすれ違う人は知り合いではないと考え、データベースの検索もしないので、疲れない。必要ない部分の切り捨てができているのである。
人口が多いと、学校のクラスの人数も多く、子ども達もこの対人情報処理にリソースを割くことになる。都会の学校は疲れるが、田舎の学校では適応できる、という子どもの背景に、この対人情報処理が関わっているかもしれない。一般的に「渋谷に行ったら人に酔って疲れる」という人が多いことからも、この対人情報処理に時間がかかる人や苦手な人は、子ども以外、成人や高齢者にもかなりの数が存在すると思われる。この観点からの研究が少ないのか、単純にテクニカルタームのチョイスが間違っているので検索出来ないだけなのかわからないが、調査研究をすると興味深い結果が得られそうな気がしたので、メモしておく。
自分はちょっと時間を割いて調べられそうにないので、もしこのトピックに関する論文などをご存じの方がいたら、教えて頂けると大変ありがたい。心の理論ともちょっと似てたりするので、ちゃんと探したらありそうな気もする。。。