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2025年8月30日土曜日

離島で考えたこと(対人情報処理に関するメモ)

 トカラ列島への出張から帰ってきて、船酔い&バス酔いのため少し体調が思わしくなかったのだが、やっと復活してきた。

トカラ列島で調査をしつつ、ぼんやり考えていたことがあるので、研究のネタになるかどうかわからないが、備忘録を兼ねて書いておきたい。


・対人情報処理について考えたこと

心理学で対人情報処理に関する研究を検索してみたが、自分が思っているような内容ではなかった。だから、これから書くことは、当たり前のことで、単に勉強不足で他の学問分野ではすでに議論しつくされてきたことかもしれない。調べればいいんだが、そこまで余力がないので、メモとして残すことにする。


自分が離島で考えていたことは、離島では対人情報に関する処理が、都会に比べてかなり楽で、そこにリソースを割いていた人や苦手な人は、暮らしやすいかも、ということである。

具体的にどういうことかというと、人は人と交流するとき、その人の個人情報、性格とか何が好きとか、何が得意とかを把握して交流する。と同時に、その人が持つ、人間関係・交流関係も把握し交流する。その人から誰に話が伝わるとか、対人ネットワークの存在をイメージしつつ、交流を重ねていくと思う。これらの二つの情報、「個人の情報」と「人間関係の情報」の処理を合わせて、他に良いネーミングが思いつかないので、「対人情報処理」と一応しておく。この対人情報処理について、知り合いが多い地域や人口が少ない地域では、対人ネットワークが想像出来る範囲で収まっているため、都会に比べて作業量が少なく、時間がかからなくて楽なように思えたのである。

おそらく生まれたときから大都会に住んでいる人は、この対人情報処理が得意であったり、鍛えられてレベルが上がっていたり、必要ない部分の切り捨てが出来るのではないかと思う。例えば田舎だとすれ違う人の顔を見て、自分の頭の中のデータベースを検索して知り合いかどうか確認する。こういう人が渋谷とかに行くと、人が多すぎて、データベースの検索がオーバーヒートして疲れてしまう。しかし都会出身の人は、最初からすれ違う人は知り合いではないと考え、データベースの検索もしないので、疲れない。必要ない部分の切り捨てができているのである。

人口が多いと、学校のクラスの人数も多く、子ども達もこの対人情報処理にリソースを割くことになる。都会の学校は疲れるが、田舎の学校では適応できる、という子どもの背景に、この対人情報処理が関わっているかもしれない。一般的に「渋谷に行ったら人に酔って疲れる」という人が多いことからも、この対人情報処理に時間がかかる人や苦手な人は、子ども以外、成人や高齢者にもかなりの数が存在すると思われる。この観点からの研究が少ないのか、単純にテクニカルタームのチョイスが間違っているので検索出来ないだけなのかわからないが、調査研究をすると興味深い結果が得られそうな気がしたので、メモしておく。


自分はちょっと時間を割いて調べられそうにないので、もしこのトピックに関する論文などをご存じの方がいたら、教えて頂けると大変ありがたい。心の理論ともちょっと似てたりするので、ちゃんと探したらありそうな気もする。。。

2025年8月24日日曜日

トカラ列島での調査(悪石島)


 今日から悪石島に来ています。

先日の地震で避難された方が多く、今回の調査でも重要な意味を持つ島です。



集落には大きな影響は出ていないのですが、島の中には土砂崩れで道路に影響が出ている箇所があります。



これは砂風呂の写真なのですが、砂風呂の上に大きな石があり、今にも転げ落ちそうになっているのがわかりますでしょうか。ルートとしては砂風呂の上には落ちない可能性があるようなのですが、そうは言っても怖いですよね。



今日は住民向け説明会を悪石島出張所で行いました。この写真は説明会直前の写真ですが、結局椅子が足りなくなるぐらい、多くの住民の方に来ていただくことができました。ありがとうございました。
私は少し船の影響で頭がぐらんぐらんしていましたが、なんとか説明はできたように思います。
次からは本調査として、住民の皆様にインタビューをさせて頂きたいと思いますので何卒よろしくお願い申し上げます。

次は9月か10月か、、、宿のこともあるので、早めに次のスケジュールを決めないといけませんね。

2025年8月23日土曜日

トカラ列島での調査(小宝島)

 科研の調査のためトカラ列島の小宝島に来ています。

今回は民宿が予約できなかったため、役場経由で予約した簡易宿泊所から投稿しています。




珊瑚礁、リーフに囲まれた島で、どこで写真を撮っても絵になります。



小宝島から出稿するフェリーの写真。港なのに、海の透明感が半端ないです。



珊瑚礁のリーフが三層ほど重なって島の周りを囲んでいます。大物が釣れるそうです。



避難経路や避難行動を調べるために、一時避難所の位置を調べたり、標高を調べたりしています。避難所は開けた位置にあるのですが、草が生い茂っていて、中に入っていくことがちょっと怖いです。



草むらに入ることを躊躇させる理由がこれです。病院もないですし、定期船は週2便ですので、もし噛まれてしまったら、と考えると、山の中まで入って行くのがちょっと怖いですよね。

2025年8月14日木曜日

マイナーリビジョン

 4ヶ月ほど前に投稿した論文が、初回でマイナーリビジョンのデシジョンという連絡があった。

頂いたコメントを読んでみると、修正らしい修正もなく、すぐに改稿できそうな感じである。


そもそもこの論文は2つの雑誌にキック(1つめはエディターキック、2つめは一発リジェクトだが長文の指摘あり)されて、このままじゃアカンと思い、新たに分析を追加して投稿した論文なのだが、その新たに追加した部分へのコメントがないため、何か不思議な感じというか、これで良かったんですかね?と思ってしまう。本当に大丈夫かなぁ。出版後に何か言われたりしないか、不安もありつつ、出版の目処が立ってうれしい思いもあるし、複雑な感じである。


まだアクセプトされていないので内容や雑誌名は言えないし、興味がある人も少ない分野ではあるけど、心理学、医学、文化人類学、宗教学などがごちゃ混ぜになっている面白い論文になっている、はず、です。

2025年8月1日金曜日

「トカラ列島近海において継続する地震活動に関する総合調査」に参加します

 文部科学省からさきほど発表されたように、以下の調査に協力・参加することとなりました。


「トカラ列島近海において継続する地震活動に関する総合調査」

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2025/1420210_00002.htm


8~9月に現地調査を行う予定ですので、その間は連絡が取りにくくなると思われます。

何卒ご了承下さい。